大田先生から
 メッセージ集
 
44.令和5 第44号(令和5年7月3日発行)
 地域活動に大切な表彰

43.令和5 第43号(令和5年5月8日発行)
 V字回復を!

42.令和5 第42号(令和5年3月1日発行)
 満天の星のごとく

41.令和5 第41号(令和5年1月1日発行)
 もうすぐ1万人達成!


40.令和4 第40号(令和4年11月1日発行)
 皆さんを待ってます


39.令和4 第39号(令和4年9月1日発行)
 依存と自尊


38.令和4 第38号(令和4年7月1日発行)
 国策になるか


37.令和4 第37号(令和4年6月1日発行)
 何回でも話す

36.令和4 第36号(令和4年5月9日発行)
 広報不足が寝たきりを作る


35.令和4 第35号(令和4年4月1日発行)
 意見を述べてきました


34.令和4 第34号(令和4年3月1日発行)
 「団塊世代」を甘く見てはいけません


33.令和4 第33号(令和4年2月1日発行)
 指導士養成事業の仕組みは一石何鳥か


32.令和4 第32号(令和4年1月4日発行)
 よくある質問

31.令和3 第31号(令和3年12月1日発行)
「朝起き会」の自粛からスマホで「おはよう体操」

30.令和3 第30号(令和3年11月1日発行)
 目標を達成していた?

29.令和3 29号(令和3年10月1日発行)
 茨城県「フレイル予防の日」を提唱

28.令和3 28号(令和3年9月1日発行)

 私のフレイル対策

27.令和3 27号(令和3年8月1日発行)
 体操教室は最適事業

26.令和3 26号(令和3年7月1日発行)
  「フレイルの急増は国際的問題

25.令和3 25号(令和3年6月1日発行)
  大田先生からみなさまへ


24.令和3 24(令和3年5月6日発行)
  大田先生からみなさまへ


23.令和3 23(令和3年4月15日発行)
  「鬼に金棒。指導士の紙芝居

 

22.令和3 22(令和3年4月1日発行)
 「新しい」地域活動とは?

21
令和3 21(令和33月15日発行)

 「介護予防」を広く捉える

20令和3 20(令和33月1日発行)

 もうしばらくマスクの中で小さい声の
   
「パタカ」で我慢


19令和3 19(令和32月15日発行)

 一生もの


18令和3年 18(令和3年2月1日発行)

 自分の体で実験。効果あり!


17令和3年 17(令和3年1月15日発行)

 何とか体操を閉じこもり高齢者に届けたい


16令和3年 16(令和3年1月4日発行)

 寝たきりゼロへの 10か条


15令和2 15(令和2年12月15日発行)

 どこの指導士さんも元気でした


14令和2年 14(令和2年12月1日発行)

 ウイズコロナの活動


13令和2年 13(令和2年11月16日発行)

 ヘルスリテラシーの力


12令和2 12(令和2112日発行)

 気合は十分!


11令和2 11(令和2年10月15日発行)

 2025年と2040年問題に2段構えの「予防」


10令和2 10(令和2101日発行)

 ラジオ体操ではない


9 令和2年 9(令和2年9月15日発行)

  新しい事業にご協力ください


8 令和2年 第8(令和2年9月1日発行)

 健康紙芝居を活用


7 令和2年 第7(令和2年8月3日発行)

 やはり「日本一少ない」県、でした!


6 令和2年 第6(令和2年7月15日発行)

 勉強をして教室の再開を待ちましょう


5 令和2年 第5(令和2年7月1日発行)

 フレイル克服に「電波」を活用


4 令和2年 第4(令和2年6月15日発行)

 指導士会の活動と「新しい生活様式」に

   合わせた活動


3 令和2 3(令和261日発行)

勉強をして教室の再開を待ちましょう


2 令和2年 2(令和2年5月15日発行)

 勉強と情報の交換が大切


1
 創刊号(令和2年5月1日発行)

 みなさまと情報を共有するために、これから
 44.令和5年 第44号(令和5年7月3日発行)
  地域活動に大切な表彰

 指導士養成事業20周年記念大会が7月31日に水戸の県民文化セ
ンターで開かれます。1000人
以上の指導士が集まる予定で楽しみ
です。

また、去る5月23日には恒例の贈呈式が行われ、知事等か300人
を超える指導士に感謝状が渡さ
れました。
 県の規定による知事賞は特別な役職で活動した人以外は10年
以上指導士会で活躍した人が対
象で、それでおしまいになって
しまいます。

前々から思っていましたが、15年以上活躍している人も多く、
10年で表彰がおしまいになるの
はいかがかということです。
 20年も事業が続き、今後も継続されるとしたら、10年からは
15年、20年、25年と5年毎に表
彰することを考えるべきだと、
課長さんに提案
してきました。今回は県の規定ではありません
が、健康プラザ管理者の私と連合会の会長の連名で、永年功績賞で表彰させてもらうことにしました。
 住民の地域活動を進めるには、活動家を募り、育て、組織する
の3つの要諦があると先人
から教わっていました。
「募る」は公募するこ
と、「育てる」はカリキュラムを洗練すること、「組織する」は会でまとまって活動してもらうことです。
 
私はこの3つに加えて表彰規定を持つことが大切だと思って
います。行政側が住民にボランテ
ィア活動を促すには活動する人
に感謝と敬意の
気持ちを伝えることが欠かせないと思って
いま
す。表彰はその人の活動を関係者全員で認め合うという大きな意味があると思います。
 
 43令和5 第43号(令和5年5月8日発行)
   V字回復を!

令和4年度(2022.4.1~2023.3.31)の指導士の活動実績の表を見ました。コロナの蔓延で底をついた令和2年度の実績からV字回復を願っておりましたが、その兆しが見えてきました。開催教室数は、令和2年度が12,884回、令和3年度18,000回と微増しました。4年度は32,795回となんと見事なV字になっていました。
 この5月8日にやっとコロナは5類になり行動に制限がなくなりますので、この回復傾向は続くと思います。コロナの影響を全く受けていない平成30年度が43,816回でした。これを目標に、閉ざされている教室をできるだけ早く開ければと思います。指導士さんも切歯扼腕しておられたと思いますが、何より教室の開催を待っておられるお年寄りの要望に応えてあげたいと思います。
 コロナは5月8日に5類に移行したことで一段落しましたが、すべてが安心というわけではありませんので、今まで通り注意深い行動をとりましょう。高齢化はコロナが蔓延でも歩みを止めるわけではありません。むしろコロナのため外出して人との交流機会が減り、フレイルが進行した人が増えたおそれもあります。
 それにしてもコロナ蔓延下で、活動を続けてくれた指導士の方々には頭が下がります。心から御礼申し上げます。それにしてもコロナ蔓延下で、活動を続けてくれた指導士の方々には頭が下がります。心から御礼申し上げます。

  
 42令和5 第42号(令和5年3月1日発行)
   満天の星のごとく

県民10,000人の心に、シル・リハ体操指導士の魂が注入されました。活動を展開している方も、事情で 中断された方も、残念ながら鬼籍に入られた方もいます。さらに2級、1級まで、自らの時を提供し魂を大きく育てられた方も大勢います。この人たちが発する情熱のエネルギーは、数では表しきれないほど大きく、尊い価値のある光です。太陽や月、夜空に輝く星のような輝きがあります。満点に広がる星のように、魂の光が茨城県の中に渦巻いています。その存在に、そして静かではあるがその力の大きさにいつか日本中のすべての人は気づくでしょう。
 シルバーリハビリ体操指導士は永遠に輝く希望の星です!

  
 41令和5 第41号(令和5年1月1日発行)
   もうすぐ1万人達成!

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 11 月末で、指導士の養成数が 9966 人になりました。
この1月中には1万人に到達する予定です。養成が始まってから 17 年を迎えようとしています。この間に東日本大震災や新型
コロナ蔓延という試練にあいました。その試練を指導士さんたちの活動に支えられながら乗り越えてまいりました。ことに大震災の時には避難所の支援に 進んで出かけられたことは予期せぬことで、頭が下がるばかりでした。

この皆さん方の活動を見て、岩手県では県主催事業としてこの事業を始めました。
 17 年にもなりますと、指導士さんの中には亡くなられた方もおられます。亡くなられた方には謹んでお悔やみを 申し上げます。また加齢やその他いろいろの事情で指導士会から離れてしまった方もおられます。たとえ会から離れても、体操のことを忘れないでほしいと思っています。この人たちは、会での活動はしていなくても、体操や 介護予防の大切さをきちんと勉強した人たちです。そのような人を含め 1 万人ですから、これは素晴らしいことだと思います。
 今世情では、人手が足りず、2025 年に向けて「介護地獄」が来るのではと心配されています。国の方にもこれ という手はないようです。そのような中で国民にできることは介護予防に力を入れることしかありません。
シルリハ体操指導士の活動はこの事態を乗りきるための一つの切り札であることは間違いありません。

 今年も頑張りましょう。

 
 40.令和4年 第40号(令和4年11月1日発行)
   皆さんを待ってます

 令和 2 年 5 月号が創刊でもう 40 号になりました。この通信が始まったのは、コロナの蔓延で、指導士さんたちとの交流がしにくくなったのを少しでも良くしようというのがきっかけです。
 この 2 年半の間に、オリンピックがあり、総理大臣が 2 度変わり、しかも元総理が銃弾に倒れるなど、また世界ではウクライナとロシアの戦争が起こり、それらが重なった影響か世界的なインフ レ、 物価高騰と驚くばかりの社会の変動です。そしてついに日本は「開国」し、外国人が観光地に多くみられるようになってきました。果たしてコロナは収束に向かっているのでしょうか。
 この中で変わらないことはただ一つ、私たちは歳をとっていくということです。シル・リハ体操を一刻も早く一人でも多くの閉じこもりがちな高齢者に伝えてあげなければなりません。
 10 月には地域別シルバーリハビリ体操指導士フォローアップ研修会が開かれ、大勢の指導士が集まり、指導士の意気込みを示しました。コロナで 一時萎縮した私たちの活動も、少しずつ再開できる のではと期待されます。また、ハイブリットで講習会を開く市町村も多くなりました。プラザのスタッフは市町村との調整や資料作り、また教室の見守りで全県を飛び回るなど、日々忙しく働いています。いつのまにかコロナと共生する時代になったようです。
 うまくコロナと付き合いながら活動を広げましょう。地域の高齢者は首を長くして皆さんを待っています。
 
 39.令和4年 第39号(令和4年9月1日発行)
   依存と自尊

「独立自尊是修身」は慶應義塾の修身要領にある福沢諭吉の有名な言葉で、何かにつけこの言葉で患者さんを励ましてきたように思います。年をとって、いろいろできなくなったことがあって、自分にこの言葉が当てはまるかと思うと、独立などとは程遠い生活をしていることに気が付きました。この言葉は、これから世の中に出ていこうとする若い人には必要でしょうが、高齢者や障害者には適さなのではと考えるようになりました。
 これに代わる特に高齢者向きのいい言葉はないかと考え、勝手に「依存自尊是修身」といたしました。自分の生活実態を見てみると人に頼まなければ 1 日が成り立たないことばかりです。
ただ、大切なことは、何事を頼むにしても、自分が守るべきものをよく考え、できないことは感謝の心で人に頼むべきだと思いました。

 ウクライナのゼレンスキー大統領が他国に頭を下げて支援を求める姿を重ねて考えてしまいました。

 
 38.令和4年 第38号(令和4年7月1日発行)
   国策になるか

参議院選挙の前に自民党と公明党の分厚い政策集を目にする機会があった。両党の政策の中に「シルバーリハビリ体操」という 名前が出ていました。介護予防体操とかフレイル予防体操という一般用語で使われているのではなく「シルバーリハビリ体操」と固有名詞で出てきたのには一瞬驚きと同時に、ついに政権与党である公党に認められたのかと誇りに思いました。おそらく全国展開を図っている日本理学療法士協会が押してくれたのだと思います。
 思えば利根町のモデル事業から始まって17年間、全市町村の指導士さんたちのたゆまぬ活動が認められたのだと思います。もし国策の中にこの体操が入ると日本中一気に広がることになり、茨城県はさらに注目されると思います。
 政党の政策がどのような工程を経て、私たちの活動に反映されてくるようになるのか私には分かりませんが、おそらく担当部局 である厚労省の老健局が対応するのではないかと思われます。選挙が終われば早めに連絡を取ってみましょう。
 茨城県発の事業が現在の高齢社会の一角で日本をリードしていると思っていいのではないでしょうか。

 
 37.令和4年 第37号(令和4年6月1日発行)
   何回でも話す

県庁や市町村の行政の人達と話していて最近気が付いたのですが、シル・リハ体操を元気アップ体操と同じに捉えている人が未だにいることです。ちょっとがっかりするのですが、世の中そんなものかもしれないと今は何回でもその違いを説明しています。普通の人は体操をして体力が右肩上がりになると考えるでしょうから、元気アップ体操で十分、となるのも無理はないです。
 でも地域で行う体操は元気アップ一つでは駄目なのです。それは地域にはあらゆるレベルの人がいて、運動で身体機能が右肩上がりになっていく人もいれば、加齢でだんだん低下していく人もいるわけです。新聞にスポーツ欄があり、一方に訃報欄があるように多様性があるのが地域です。
 できる人は元気アップ運動や水泳、マラソン、ロングトレイル、自転車、テニス、ゴルフなどスポーツをやればいい。しかし、年を取ればこれらは必ずできなくなる。そういう人にも役立つのがシル・リハ体操です。すべての人がそうなるのだから、行政がしっかりフォローしなければならない。繰り返し、こう話をするのです。

 
 36.令和4年 第36号(令和4年5月9日発行)
  広報不足が寝たきりを作る

私の場合、プラザに出勤するのが何よりの楽しみで、運動不足が解消し、スタッフと話ができて社会的フレイルも解消できます。
 自分で言うのも気が引けますが、シル・リハ体操はよくできています。ストレッチといっぱつ体操で、フレイルはかなり防げます。最近テレビや新聞などで紹介された体操を注意して見ていますが、シル・リハ体操を越えるものはありません。86 歳の自分が検証しています。
 こもりがちなお年寄りもシル・リハ体操をやってほしいとどう伝えるか、これが大きな問題です。県、市町村の広報に期待したいです。広報が足りないと寝たきりを作るのではないか、と思うようになりました。運動不足でなく広報不足が寝たきりをつくる、ということです。広報担当者にもおじいちゃん、おばあちゃんがいるでしょうから、より一層自分のおじいちゃんおばあちゃんに届くような広報を
お願いします。

 
 35.令和4年 第35号(令和4年4月1日発行)
   意見を述べてきました

 3月の23日に、自民党の小委員会に呼ばれ、介護予防の観点から意見を述べよ、ということで出かけました。私が名指しされたのですからシルバーリハビリ体操指導士の養成事業の意味について説明してきました。10分の時間でしたが、厚生官僚がずらりと来るので出かけました。
 話は、超高齢社会に向けて地域包括ケアシステムを進める上で、最大の課題である「介護予防」と「人材の育成と確保」に絡めて、シルバーリハビリ体操と指導士の養成事業の特徴に重点を置いて説明しました。日頃お話している「活動家を選び育成し、組織する」こと、そして住民の組織されたボランティア活動は、その組織活動のサポートが重要で、それには行政の力が必要であること、モデルになる市町村の活動を横展開するには県の力、全国に展開するには国の力が必要であると話してきました。
 じっくり話せば最低1時間は欲しいところです。しかし10分ということなので、参議院選挙の前でもありますし、関心のある議員さんもいるだろう。本当に関心があれば、問い合わせがあるだろうと思いました。
 大きな期待はしていませんが、後で「なぜ言わなかったのか」と言われるの腹立たしいので公的な場所ですから少しは意味があるだろうと、背骨の曲がった爺さんが永田町まで行ったのです。
 ところで県も組織や人事が変わったので、この4月は忙しくなります。コロナの規制が少し緩めば、指導士さんの出番です。
 頑張りましょう。
 
 34.令和4年 第34号(令和4年3月1日発行)
  「団塊世代」を甘く見てはいけません

 2025 年は団塊世代がすべて 75 歳以上後期高齢者になる年です。したがって 23 年からトップランナーは 75 歳になります。オミクロン株が増えようと、経済がどうなろうと必ず2025 年はやってきます。その数は 3 年間で800 万人 を超えているのです。昭和 25 年生まれも多い のでそこまで入れると 1000万人を超えます。その後は第 2 団塊世代まで急激に生まれる人は 少なくなっています。
 さて来年度 2022 年から 2025 年の 4 年間の県の総合計画がつくられていますが、県のホームページで 2 月 4 日から 18 日まで、そのパブ リックコメントを求めていました。うっかりしていて 18 日にそのことを知り、急いで目を通しましたが、今まで入っておりましたシルバー リハビリ体操の文字が見当たりませんでしたので、コメントを県に送りました。どうなることかわかりません。ただ全体的に見て、2022 から 4 年間というと高齢者福祉の目玉の年である2025 年問題へのまなざしが薄い感じがしましたので、そのことも意見として述べました。
 団塊世代は自分を競争の中に身をさらしながら、日本の戦後を担った強い人たちです。シル・リハ体操指導士さんも団塊世代が大きな役割を果たしています。高齢者が少しでも幸せに老後を過ごせるように、体操を柱として、さらに体操以外の活動にも一歩も二歩も踏み出していこうとしているのです。シル・リハ体操指導士の活動を抜きにして、茨城県の高齢者対策は推進しません。皆さんが組み立ててきた活動を、もっと大きな声で宣伝しましょう。
 
 33令和4 第33号(令和4年2月1日発行)
  指導士養成事業の仕組みは一石何鳥か

65歳以上を高齢者とすると、超高齢社会は既に始まっています。淋しい話ですが、新聞の訃報欄を見ると、だんだん数が増えているように思われます。しかも、私より若い人も多く、急にわびしく、心細くなってしまいます。
 2025年には団塊の世代がすべて75歳以上になります
から、後期高齢者が増え、それに伴って
医療や介護を必要とする人が増えると言われています。加えて、新型コロナで自粛生活が増え、高齢者にとってはフレイル予防が重要な課題になります。
 この後の時代は団塊世代をどう看取るかという大きな課題にも直面しているとも言われています。その解決は一人一人が「どれだけ元気で長生きするか」にかかっていると言えます。それには何と言っても生活習慣を整え、人とのつながりを大切にしながら、適当な運動をすることだろうと思い
ます。

 その仕組みをシルバーリハビリ体操指導士養成事業は持っていて、住民が住民を育て、勉強した指導士が大勢の高齢者に対応できるということです。体操だけでなく会の活動でそのつながりは強くなります。全県のフォローアップ研修事業には900人以上の指導士が参加してくれました。
 この仕組みに専門職が一緒に入ってくれれば、少々フレイルが進んだ人にも対応できるので、とても効果的です。指導士さんは活力があるし、社会に役立つ仕事をしておられるので長生きできます。一石二鳥です。元気な高齢者が増えれ
ば、
介護保険料も低く抑えられるし、一石何鳥にもなり
ます。頑張りましょう。

 
 32令和4 第32号(令和4年1月4日発行)
  よくある質問

「元気アップ体操とシルバーリハビリ体操とはどう違うのか」という質問をいまだに受けることがあります。いわゆる「元気アップ体操」は、アスリートを育てる体育学や運動学の運動量を減らし、高齢者でもできるようにアレンジしたものです。一方シルバーリハビリ体操は病気や障害で寝たきりの人を起こし、座らせ、立たせ、歩かせるリハビリテーションの動作学、障害学に基づいて組み立てられています。したがって、立ってする体操から寝てする体操まであるのです。 走れる人や泳げる人はトライアスロンもできます。しかし、すべての人は必ず年を取り、体力、機能が低下すれば、それらができなくなってきます。加齢が進めば杖をつき、シルバーカーや車いすを使うようになります。さらに寝たきりに近い状態になるかもしれません。それでも人は身体の尊厳を守るために動かしておかねばならぬ部位や関節があり、自分で動かなければ動かしてもらわなければなりません。シルバーリハビリ体操はそこまで考えて作られています。
 高齢で体力がなく機能の低い人も大勢います。その人たちへの温かい、人間的なまなざしを大切にしながら体操を指導するのがシルバーリハビリ体操指導士です。

 
 31令和3 第31号(令和3年12月1日発行)
 「朝起き会」の自粛からスマホで「おはよう体操」

新型コロナで指導士さん方は不自由な思いをされていると思います。そんな中、守谷市の指導士毛利直美さんからこの7月にお手紙をいただきました。毎朝5時~6時に行っている「朝起き
会」
で「おはようリハビリ体操」をしていたのが自粛でできなくなり、スマホを使って行うようになったというお便りでした。つい先日毛利さんにお会いしましたら、今も続いているとのことでした。
 自粛で、不自由はしていますが、おかげでオンラインやYouTube、ハイブリッドなど今まで想像もしていなかったツールを利用した交流ができるようになり、スマホもさらに上手に扱う人たちも増えてきました。そのスマホを使った新しいやり方があることを毛利さんから教わったのです。それにしても朝の5時、6時は、私はまだ夢の中で、指導士さんがその時間から活動しておられることを知り、頭が下がるばかりです。
 このコロナの自粛で、例えば 500メートル歩けた人が100メートル、50メートルと歩行距離が減り、さらには外出自体が困難になった人たちが増えていると思います。その人たちに物理的に近づくだけでなく、電波を使う、電波と併用する、などいろいろな取り組みが考えられるといいのではないかと思いました。
コロナに負けて
はいられないと思いました。
 
  30令和3 第30号(令和3年11月1日発行)
  目標を達成していた?

県社協が行った「令和2年度の全県サロンへのアンケート調査の報告書」では、サロンのプログラムにシル・リハ体操が上位を占めていることが分かりました。また、外出自粛で体力の低下を心配している人が多く、高齢者はフレイルになることに危機感を持っているようです。
 急にコロナの新規感染者が減りましたが、再び外出自粛が起らないとは限りません。たとえ体操教室が再開されたとしても、参加の高齢者にはフレイルの話をしっかりしてあげて、家での体操を教えてあげてください。
 フレイルの予防の一つに「つながる」があります。その意味では体操もさることながら、教室でお年寄り同士が顔を会わせたり、皆さん方に会ったりすることがどれほど大事か、が分かります。その意味も伝えてください。
 9月末に改正された地域支援事業では「高齢者の8%がサロンや体操教室の通いの場に参加してもらうことを目標にする」としています。65歳以上とすると茨城県の高齢者は84万人ほどで、7万2千人くらいになります。でも前期高齢者は元気ですから、私は後期高齢者の810%がいいのではと思っています。そうすると約この半分の3万4~5千人になります。実は、コロナ以前の高齢者の教室参加高齢者は概算でおよそこのくらいの数で、茨城県は体操教室だけで、この目標を達していたことになります。
すごい!

 
 29令和3 29号(令和3年10月1日発行)
  茨城県「フレイル予防の日」を提唱


 政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長はコロナが落ち着くには 2、3 年かかるだろうと発言しています。高齢者は 2、3 年も待っていては「コロナは落ち着いたけれど、寝たきりになった」の笑い話になります。したがって、ウィズコロナの長期戦の対策を立てなければ なりません。それには県民が小さくなった日常の 生活の中で一つでも二つでも運動を取り入れることが大切です。そういうことを自覚して、自分なりに、「ここで、この体操」をするよう啓発される必要があります。
 ワクチンのおかげか行動自粛が少しずつ緩和されるようです。しかし一気に前のようにすべて を解除というわけにはいかないでしょう。3 密を避け、マスクの着用、換気など制限された中での活動になると思います。人数も時間も制限されるかもしれません。その中でぜひ先に述べたようなことを念頭に置いたプログラムを工夫されることを期待します。
 私は茨城県が「フレイル予防の日」をつくり、県民のフレイル予防啓発になればと茨城新聞の「忍法帖」で提案しました。
 それは福島県いわき市が「フレイル月間」「フレ イルの
日」を設けて住民の啓発活動を一層進めようと計画したアイデアをいただいたものです。
 日本理学療法士協会では来年 2 月にシルバーリハビリ体操の第 2 回全国フェステバルをオンラインで行うようです。皆さん方の市町村でも心積りにしておいてください。
 何より「茨城県フレイル予防フェステバル」を実現させましょう。
 
 28令和3 28号(令和3年9月1日発行)
  「フレイルの急増は国際的問題

デルタ株が大爆発し、県下にも緊急事態宣言が出ました。フレイル(虚弱)のことを考えると、年寄りには厳しい社会になりまた。私も85歳を過ぎて毎日が下り坂にい
ので、フレイルが進行しないように緊張
をもって生活しています。プラザに出勤できて助かりますが、土日は完全外出自粛で一歩も外に出ませんから、月曜日は少々体力低下を感じます。その土日の過ごし方は工夫をしています。シルリハ体操を知っていますから気が付いたら一つでも体操をします。
問題は歩行不足です。
3 級の講義でもお話しましたよう
に、「歩く」ということは
人生の最期まで大切で、下り坂にあるとはいえ現状維持に努めなければなりません。「神様がくれた歩行訓練」とか「年で365など冗談を交えてその大切さをお話ししたとおりです。
 プラザでは館内を努めて歩きます。2歩から3千歩の間になります。家にいると油断をすると2百歩にも達しません。狭い

 32令和4 第32号(令和4年1月4日発行)
  よくある質問

「元気アップ体操とシルバーリハビリ体操とはどう違うのか」という質問をいまだに受けることがあります。いわゆる「元気アップ体操」は、アスリートを育てる体育学や運動学の運動量を減らし、高齢者でもできるようにアレンジしたものです。一方シルバーリハビリ体操は病気や障害で寝たきりの人を起こし、座らせ、立たせ、歩かせるリハビリテーションの動作学、障害学に基づいて組み立てられています。したがって、立ってする体操から寝てする体操まであるのです。 走れる人や泳げる人はトライアスロンもできます。しかし、すべての人は必ず年を取り、体力、機能が低下すれば、それらができなくなってきます。加齢が進めば杖をつき、シルバーカーや車いすを使うようになります。さらに寝たきりに近い状態になるかもしれません。それでも人は身体の尊厳を守るために動かしておかねばならぬ部位や関節があり、自分で動かなければ動かしてもらわなければなりません。シルバーリハビリ体操はそこまで考えて作られています。
 高齢で体力がなく機能の低い人も大勢います。その人たちへの温かい、人間的なまなざしを大切にしながら体操を指導するのがシルバーリハビリ体操指導士です。

 
 31令和3 第31号(令和3年12月1日発行)
 「朝起き会」の自粛からスマホで「おはよう体操」

新型コロナで指導士さん方は不自由な思いをされていると思います。そんな中、守谷市の指導士毛利直美さんからこの7月にお手紙をいただきました。毎朝5時~6時に行っている「朝起き
会」
で「おはようリハビリ体操」をしていたのが自粛でできなくなり、スマホを使って行うようになったというお便りでした。つい先日毛利さんにお会いしましたら、今も続いているとのことでした。
 自粛で、不自由はしていますが、おかげでオンラインやYouTube、ハイブリッドなど今まで想像もしていなかったツールを利用した交流ができるようになり、スマホもさらに上手に扱う人たちも増えてきました。そのスマホを使った新しいやり方があることを毛利さんから教わったのです。それにしても朝の5時、6時は、私はまだ夢の中で、指導士さんがその時間から活動しておられることを知り、頭が下がるばかりです。
 このコロナの自粛で、例えば 500メートル歩けた人が100メートル、50メートルと歩行距離が減り、さらには外出自体が困難になった人たちが増えていると思います。その人たちに物理的に近づくだけでなく、電波を使う、電波と併用する、などいろいろな取り組みが考えられるといいのではないかと思いました。
コロナに負けて
はいられないと思いました。
 
  30令和3 第30号(令和3年11月1日発行)
  目標を達成していた?

県社協が行った「令和2年度の全県サロンへのアンケート調査の報告書」では、サロンのプログラムにシル・リハ体操が上位を占めていることが分かりました。また、外出自粛で体力の低下を心配している人が多く、高齢者はフレイルになることに危機感を持っているようです。
 急にコロナの新規感染者が減りましたが、再び外出自粛が起らないとは限りません。たとえ体操教室が再開されたとしても、参加の高齢者にはフレイルの話をしっかりしてあげて、家での体操を教えてあげてください。
 フレイルの予防の一つに「つながる」があります。その意味では体操もさることながら、教室でお年寄り同士が顔を会わせたり、皆さん方に会ったりすることがどれほど大事か、が分かります。その意味も伝えてください。
 9月末に改正された地域支援事業では「高齢者の8%がサロンや体操教室の通いの場に参加してもらうことを目標にする」としています。65歳以上とすると茨城県の高齢者は84万人ほどで、7万2千人くらいになります。でも前期高齢者は元気ですから、私は後期高齢者の810%がいいのではと思っています。そうすると約この半分の3万4~5千人になります。実は、コロナ以前の高齢者の教室参加高齢者は概算でおよそこのくらいの数で、茨城県は体操教室だけで、この目標を達していたことになります。
すごい!

 
 29令和3 29号(令和3年10月1日発行)
  茨城県「フレイル予防の日」を提唱


 政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長はコロナが落ち着くには 2、3 年かかるだろうと発言しています。高齢者は 2、3 年も待っていては「コロナは落ち着いたけれど、寝たきりになった」の笑い話になります。したがって、ウィズコロナの長期戦の対策を立てなければ なりません。それには県民が小さくなった日常の 生活の中で一つでも二つでも運動を取り入れることが大切です。そういうことを自覚して、自分なりに、「ここで、この体操」をするよう啓発される必要があります。
 ワクチンのおかげか行動自粛が少しずつ緩和されるようです。しかし一気に前のようにすべて を解除というわけにはいかないでしょう。3 密を避け、マスクの着用、換気など制限された中での活動になると思います。人数も時間も制限されるかもしれません。その中でぜひ先に述べたようなことを念頭に置いたプログラムを工夫されることを期待します。
 私は茨城県が「フレイル予防の日」をつくり、県民のフレイル予防啓発になればと茨城新聞の「忍法帖」で提案しました。
 それは福島県いわき市が「フレイル月間」「フレ イルの
日」を設けて住民の啓発活動を一層進めようと計画したアイデアをいただいたものです。
 日本理学療法士協会では来年 2 月にシルバーリハビリ体操の第 2 回全国フェステバルをオンラインで行うようです。皆さん方の市町村でも心積りにしておいてください。
 何より「茨城県フレイル予防フェステバル」を実現させましょう。
 
 28令和3 28号(令和3年9月1日発行)
  「フレイルの急増は国際的問題

デルタ株が大爆発し、県下にも緊急事態宣言が出ました。フレイル(虚弱)のことを考えると、年寄りには厳しい社会になりまた。私も85歳を過ぎて毎日が下り坂にい
ので、フレイルが進行しないように緊張
をもって生活しています。プラザに出勤できて助かりますが、土日は完全外出自粛で一歩も外に出ませんから、月曜日は少々体力低下を感じます。その土日の過ごし方は工夫をしています。シルリハ体操を知っていますから気が付いたら一つでも体操をします。
問題は歩行不足です。
3 級の講義でもお話しましたよう
に、「歩く」ということは
人生の最期まで大切で、下り坂にあるとはいえ現状維持に努めなければなりません。「神様がくれた歩行訓練」とか「年で365など冗談を交えてその大切さをお話ししたとおりです。
 プラザでは館内を努めて歩きます。2歩から3千歩の間になります。家にいると油断をすると2百歩にも達しません。狭いマンションですからそうなります。そこで今は土日の歩行目標を自分で決めて実行するようにしています。
 午前、午後、そして夜寝るまでにそれぞれ5百歩ずつ歩きます。手を振って大股に歩く3歩で壁か家具にぶつかるので、肘を曲げて両手を前に出し、左右 に振って小股で歩きます。小股の「欽ちゃん歩き」です。歩きだしたら50歩を1単位とします。そうすると百歩くらいはすぐいきます。そうやってフレイルを予防しています。

 
 27令和3 27号(令和3年8月1日発行)
  体操教室は最適事業


 フレイル(虚弱)は、身体的、精神・心理的、社会的について論じられます。この 3 つは関連しあって、ぐるぐる回りながら寝たきり状態に陥っていくと言われています。わかりやすく説明するためにいろいろ工夫があるのですが、東京大学の研究グループの飯島勝矢先生はこれをドミノ倒しで説明しました。それによるとドミノの 1 番札は「社会とのつながり」で、 次は「生活範囲」、続いて「こころ」、「お口」、「栄養」、「からだ」と札を並べてあります。「社会とのつながり」がなくなるといわゆる 「閉じこもり」になります。 その後、ドミノの 札が倒れて最後は「から だ」で寝たきりになるという説明です。ドミノの札はいわば表札です
から、そこから中身についていろいろ検討して理解を深めるのがよいと思います。例えば「社会とのつながり」がなくなれば社会的孤立 に、孤独感から次第に抑うつ的になり、生活範囲が狭くなります。運動不足はもとより社会への関心が薄れ、何事にも興味や関心をもてなくなり、場合によっては、うつ病や高齢者の場合には認知症につながっていく恐れがあります。人と話しませんから発声機能の低下や摂食嚥下にすら影響が出てきます。食欲不振から栄養不足、栄養失調になり、極度に痩せるとか、下肢筋力が低下し、よろよろして 転倒。 骨折して入院。そのままずるずると寝たきりになるというドミノ連鎖が考えられるのです。一番の解決策は体操 教室に参加することでしょう。体操教室に参加すれば一番札の解決はもちろんのこと、発声訓練も筋力アップの体操も する、大笑いもすると人間らしさを一気に回復します。フレイルの特効薬でこれに勝るものはないでしょう。残念ながらオリ・パラ・コロナに次いで猛暑で外出を控える高齢者が多く心配です。チャンスをみて何とかしてワクチンの済んだ高齢者を教室へ連れ出すことを考えましょう。
 
 26令和3 26号(令和3年7月1日発行)
  「フレイルの急増は国際的問題


 国立長寿医療センターと筑波大学の研究グループが、今年の1月にインターネットで行った調査によると、5年前に比べ高齢者のフレイルが11%から16%に増えたそうです。茨城県の高齢者はおよそ84万人ですから、万人以上にも及ぶことになります。要介護寸前の高齢者が増えたことになり、 私たちが対象とする高齢者が一気に増えたとも言えます。私は、これが「介護崩壊」につながらなければいいがと、強い危機意識を持っています。 フレイルの状態は精神から栄養、口腔、 栄養、からだとドミノ倒しのように進行してしまう非常に危険な状態です。このフレイルドミノ倒しの初めに、社会とのつながりがなくなることを挙げる学者がいますが、その通りで、家に閉じこもっているテレビ人間を考えればよくわかります。オリンピック・パラリンピックも自宅で テレビ観戦の高齢者には危険です。オリパラフレイルです。体操教室に参加できれば一気にこのドミノ倒しから解放されると思います。県全体で増加したフレイルに立ち向かう旗を挙げるとすれば、体操指導士の活動を強化することが一番です。このほかにいい案は思い浮かびません。そのためには指導士が増え、教室開催数を増やす、を急がなければなりませんが、指導士は一気には増えませんので、教室開催数を少しでも増やす工夫が必要ではないかと思います。昨年度の教室開催数は各指導士会でいろいろ工夫をしてくださって、12000回を超えました。指導士さんも述べ 4万回以上出動してくれて、本当にありがたいと思います。高齢者へのワクチン接種が進めば教室参加者は、少しは増えるかもしれません。
なんとかその数を増やすため、教室開催数をV字回復に向けていければと思います。指導士さんには負担をかけると思いますが、国難とも言えるフレイル増加を抑える決意をもって頑張りましょう。
 
 25令和3 25号(令和3年6月1日発行)
  大田先生からみなさまへ
 

 ある整形外科の先生が、患者さんが多くて大変、と悲鳴を上げておられました。私が「それは先生が治してあげないからでしょう」と冗談を言いましたら、「だって加齢ですから治りません」と正直なお答えでした。「それなら、待合室で待っている間にシル・リハ体操を指導してあげたらいかがですか」と話しておきました。待合室のテレビにテープを流しておけばいいのです。先生方だけでなくリハの専門職やケアマネ、看護師、介護士等も具体的に内容を知らない人は多いのです。介護福祉士は自分たちの会で「介護予防体操」として勉強会を開いています。もう何年も前の話ですが、あるデイサービスに体操指導士が呼ばれたそうです。そのことが議会で取り上げら れました。「素人である指導士ができて介護士ができないのはおかしい」という質問でした。それで、健康プラザ で教科書をつくり指導を始めました。今は会自らの力で行うようになっています。専門職は要介護者が対象になります。指導士は原則元気高齢者が対象ですが、膝が痛い、腰が痛い、肩が痛い、 などどこかに不具合があるなどのグレーゾーンの人も大勢いて、その人たちにも指導しているので、指導士がで きて、専門職が知らないというのもたしかにまずいですね。今、医師やリハ専門職をはじめ看護師、介護福祉士、ケアマネたちが使えるようにマニュアルを作っています。 これで、地域の医療・介護に関わる人たちに体操が伝わるとうれしいです。

 
 24令和3 24(令和3年5月6日発行)
  大田先生からみなさまへ


生活習慣の乱れから病気になって、介護を受ける人も大勢おります。病気になった人はもちろんきちんと治療をしなければなりません。でもその病気は生活習慣が引き寄せた結果かもしれません。血管障害を引き起こすメタボは、塩分の摂り過ぎ、食の乱れ、運動不足が大きく影響しています。

 かつて成人病と呼んでいた時期がありました。成人になったら起こるわけではなく、それは生活習慣が引き起こすとい うことで生活習慣病と言われるようになりました。高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満を「死の四重奏」と言ったりもしま した。今はメタボです。
 生活不活発病というのもあります。不活発な生活が心身に影響を与えるからです。災害の被災地での避難場所に長くとどまると、当然とはいえ生活が不活発になりそのため下肢の筋力が低下し寝たきりになる人もいます。外出自粛は生活不活発病に繋がっていきます。
 生活は運動、栄養、睡眠が基本です。毎日を聖人君子のように過ごすわけにはいきませんから、何事も3日で帳尻が合 うぐらいに考えて生活を組み立ててください。コロナは私たちの日常を奪ってしまいました。しかしいつか収束すると思います。 その前にワクチンも打てるようになります。それまでが工夫のしどころですので、生活習慣病や生活不活発病に気をつけて日常を過ごしましょう。ぜひ、紙芝居を勉強することで、生活習慣病や不活発病を克服し、人への伝え方を学びましょう。
 
 23.令和3年 第23号(令和3年4月15日発行) 
  鬼に金棒。指導士の紙芝居

死亡原因疾患としてかつては肺結核が第1位、ついで脳卒中という不動の順番でしたが、昭和27年に脳卒中が1位になり、そのうちがんが1位に入れ替わるという流れになっています。ところが後期高齢者の死亡の原因疾患はがんではなく生活習慣病の循環器疾患なのです。塩分を多くとったり、
メタボだったりの生活習慣からくる動脈硬化が原因です。
「これまで生きてきたのだからいまさら」というのは甘い考えで、倒れて病院に行くと命は助かって寝たきりになることがしばしば起こり、誤嚥性の肺炎などで苦しむことも稀ではありません。指導士さんたちに紙芝居をお願いしたのはそれを少しでも防ぐためです。
研修用のDVDを指導士会にお送りします。これを参考に教室が再開されるまで勉強をしましょう。指導士さんが生活習慣病予防の講釈ができればこれこそ「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」で、鬼に金棒です。皆さんからも役場にも伝えましょう。

 
  22.令和3年 第22号(令和3年4月1日発行)
  「新しい」地域活動とは?

 コロナが流行ってから、「新しい」生活様式など、何かと「新しい」がついた言葉が出てきました。別に構いませんが、私は地域の活動で言えば、超高齢社会には従来のやり方の延伸・増強だけではなく、それこそ発想を飛ばして「新しい」やり方で臨むことが必要だと主張してきました。コロナとは関係なく新しい視点での取り組みが必要だということ です。
従来の地域活動では生活習慣病予防のための住民向け健康教育ですと保健師さんや栄養士さんなどの専門家が公民館などで健康教室を開き、集まった住民に直接お話をするというやり方です。このやり方が 悪いということではありませんが、例えば高齢者に介護予防や生活習慣病の予防について伝えるのに、市町村の保健師や施設や病院で勤務するリハビリ専門職が、いくら頑張っても年に数回少人数にお話をする、運動を教える、で終ってしまいます。膨大な高齢者に対して参加者も限られ回数も場所も極めて限定的になります。ことに高齢者は遠くには行けません。高齢者は茨城県ではすでに83万人を超えております。この高齢者が一人でも多く一日でも長く元気で長 生きしてもらえるように幅広く、また繰り返し、繰り返し、情報を発信しなければなりません。それにはこのやり方ではあまりに非効率的で少し厳しく言えば非現実的と言わざるを得ません。これを突破するのが「新しい」やり方です。それは勉強した住民が、それを他の人たちに伝える手法です。そのシステムづくりです。まさに住民が主体になった活動です。リンカーンの言った「住民の住民による住民のための」のやり方が必要だと思います。これこそ今の高齢社会では「新しい」と言えると思うのです。 シル・リハ体操指導士の養成事業、また指導士の組織だった活動は「新しい」やり方の先を走っていると言えます。
 
 21.令和3 21号(令和3315日発行)
  「介護予防」を広く捉える

 
介護と言う言葉がついているので、どうして捉え方が介護に偏り、狭くなってしまう傾向がありますが、この言葉は健康維持から 一連で捉えることが大切です。元気に暮らすための健康づくりから加齢でフレイルになるのを予防する、そしてたとえ介護を受けるようになってもその進行を抑え、最期まで人間らしくある、まで入れて考えます。元気な時の健康づくりや生活習慣病予防を介護予防とするのか、には意見はあろうかと思いますが、いったん病気やケガをすると一気に要介護者になる恐れがあるわけですから私は介護予防の中に含めて考えています。全介助の状態になった時、介護をするのが困難な状態になるのを予防するのも立派な介護予防です。コロナの重症病棟でうつ伏せにする療法がとら
ます。その時手足の関節が拘縮で動かなかったら大変な手間がかかります。それを予防しておくのも立派な介護予防と言えます。こうやって広く捉えてみると、シルバーリハビリ体操があらゆる場面で役に立つことがよくわかります。たとえ意識がないときでも介護者が体操にならって 関節を動かてあげればいいからです。すごいですね。指導士さんは全部知っているのですから。
 
 20.令和3 20号(令和331日発行)
  もうしばらくマスクの中で小さい声の

  「パタカ」で我慢

笠間市指導士会笠間支部が調査したアンケートの中に「大声を出せない。大声出したい。」という訴えがありました。コロナが蔓延以来高齢者は外出自粛が続き、人にも会えず、マスクをして声を潜める状態が続いています。みんなで「パタカ!パタカ!」と 10ぐらい大きな声を出してストレスを発散したいと思うのは無理もありません。この人の気持ちは万人の思いでしょう。でも、もうしばらくマスクの中で小さい声の「パタカ」で我慢しましょう。
 
19.令和3 19号(令和3215日発行)
  一生もの

 シルリハ指導士のボランティアはいつまで、どこまでやるのか」は超難しい質問です。結論から言えば、私は一生がんばってほしい、と思っています。せっかっく勉強してきたのですからできる人はできる限りでいつまでもというゴールはありません。と言うのはいつの時代もそうでしょうが、自分が住んでいる社会では制度で解決できていない問題が山ほどあり、一つやればそれを通して次の課題が見えてくるからです。例えば、次第に教室に来られなくなった人に、また外出できない高齢者にどのようにして体操を届けるか、などなど。そして最後は自分の問題にもなります。
 自分たちにできることは自分たちでやる精神が大事だと思います。それは何か、どうするか、指導士ならではの知恵を絞って提案してください。
 地域での体操指導活動を通して、解決すべき多くのことがあることに気づかれたと思います。地域で住むかぎり、気づいた人はその解決に努力するべきでしょう。そういう意味 で、この活動は「一生もの」と思ってください。
 
18.令和3 18号(令和321日発行)
  自分の体で実験。効果あり!

 
以前は、講義をして体操をして、体を動かす機会も多かったと思います。最近はカリキュラムが安定し、私の出番も少なくなりました。それをいいことに体操を怠っていたのは明らか です。加えて、加齢現象がいろいろの部位に出てきました。厄介なのは難聴と腰痛です。難聴は補聴器に頼るしかありませんが、腰痛は脊柱管 狭窄症と自己診断をして、「痛みが出る前に休む」などと言って休むことが多くなり、肝心の腰痛予防体操を怠っていた気がします。その結果、足腰が加齢によるフレイルより弱ってきたように思いました。大いに反省し、心を入れ替え、主として腰から下肢にかけてのシル・リハ体操をしっかりすることにしました。高齢者の人体実験です。自分でいうのも気が引けますが、体操は誠によくできていて、しかも1 1ミリ 1グラム忘れずシルバーリハビリ体操」のコピーの通りだと感心しています。まだ2週間ほどですが、中間報告をしますと、全体的に動作が楽になって来ました。効果あり!です。
 「歩ける人は歩く動作を大切にし、シル・リハ体操を続けること」と言ってきましたので、
プラザに来たときは館内を2,000から3,000歩き、土日は外出自粛でもありますから、「檻の中の熊式」で狭いマンションの中をうろうろ500歩以上歩くことを目指しています。
 
17.令和3 17号(令和3115日発行)
  何とか体操を閉じこもり高齢者に届けたい

 コロナで年末年始から引き続き外出自粛。檻熊式で家の中を歩いても千歩が精いっぱい。どうかすると2百歩ぐらいの日がありました。ただ努めて腰から下半身のシル・リハ体操をやっていましたので,出勤してもかえって前より歩きやすく感じます。この年になってもストレッチの効果は歴然です。11ミリ,1グラムは大切です。
 おかげさまで私は4日からプラザに出勤でき少ないながらも運動をしていますが,そうでない高齢者はほんとうに心配です。閉じこもりが「心身」によくないことはわかっていることですが,人を家に封じ込めるコロナには本当に困ってしまいます。
 閉じこもりの問題をコロナのせいでなく一般論としてとらえ,加齢や病後の衰えで教室に来られなくなった人やまだシル・リハ体操の意味を知らない人へ何とかして体操を届ける方法はないものかと必死に考えています。
 今すぐにという決定的な妙案は
ないのですが,後期高齢者が増える2025年までに,何としても茨城県の全高齢者が体操を知っている状況を作り出す目標で活動を始めています。
 まとめますと,指導士さんには今まで以上に一般高齢者に普及していただく,医師会にお願いし,診療の際に体操を勧めてもらう,リハ病院等を退院する高齢者に体操を指導してもらう,ケアマネさんに,ケアプランに体操を入れてもらう,デイケア,デイサービス,特養などの事業主に体操を行うよう依頼する,になります。
 今,そのためのマニュアルを作っています。コロナが少し収まれば,それをもって関係団体と話し合う予定です。
 それとは別に,宣伝用にウィークリーカレンダー,シール,缶バッチ,かるたなどを作り,体操 が誰の眼にも触れる状況をつくる考えです。すべての後期高齢者に届けるには何せ資金が足りませんが,それはそれで。クラウドファンディングや企業から寄付をもらうとか…。
 
 16.令和3 16号(令和314日発行)
  寝たきりゼロへの 10か条

 これは随分前から提唱され、平成3年にはこの考えを広めるため、国から通知が出されるほどでした。これができた当時、脳卒中で寝たきりになる人が多いこともあって、そこに焦点を合わせた表現になっていますが、脳卒中でなくても役に立つことがまとめられています。この第910条に今話題になっている閉じこもりのことが書かれています。第9条「家庭でも社会でも喜びこれは随分前から提唱され、平成3年にはこの考えを広めるため、国から通知が出されるほどでした。これができた当時、脳卒中で寝たきりになる人が多いこともあって、そこに焦点を合わせた表現になっていますが、脳卒中でなくても役に立つことがまとめられています。この第910条に今話題になっている閉じこもりのことが書かれています。第9条「家庭でも社会でも喜び見つけ、みんなで防ごう閉じこもり」、第10条「進んで利用機能訓練、デイサービス、寝たきりなくす人の和、地域の輪」外出することの大切さが書かれていて、そのためには個人の努力だけでなく「人の和、地域の輪」の大切さが述べられており、よくできていると感心させられます。
この作成にあたった先生の一人広島県御調町の公立みつぎ病院の顧問をしておられる山口昇先生にお話を伺うと、御調町の活動の実績が大変参考になったとのことでした。今は尾道市になりましたが、尾道市もシルバーリハビリ体操指導士養成事業に取り組んで見つけ、みんなで防ごう閉じこもり」、
います。広島県出身の守谷の毛利さんに応援していただいたこともあります。尾道市と健康プラザは交流が深いのです。

 
 15.令和2 15 (令和21215日発行)
   どこの指導士さんも元気でした

 11月の7日に秋田県鹿角市2122日は岩手県雫石町、岩手町、そして28日には船橋市と4か所を訪ねました。このコロナの中どこの会も少しでも体操教室を開催することに努力、工夫をしているように見えました。
  鹿角市では特に高齢過疎地区での指導士のなり手不足が課題でした。解決策は難しいのですが、できる地区、できる人がカバー していく以外に方法はないと思いました。石町での会は「いわてリハビリテーションセンター」主催で14市町村から代表が集まりました。
 コロナでお互い顔を合わせない中での指導士のモチベーション維持のため、私の講演を録画し、指導士の研修としてYouTubeで発信する計画でした。
 岩手町は盛岡市の北に接し、旧渋民村を抜けたところにある人口12千人、高齢化率は約40%の町です。体育館に住民約150人と指導士さんが40人ほど集まってくれました。
 教室は開かれていないようですが、会場の舞台で指導士さたちが上手に住民に指導してくれました。
 
船橋市は3分の2の教室が休会中だそうです。それでも指導士さんは元気で、大勢の指導士さんが講演会の応援に来てくれました。市民の関心も高く、会場は制限をかけたそうですが密をさけて、ほぼいっぱいでした。ルリハ体操は全国に少しずつ広がっています。
 各地で元気な指導士さんにお会いすると私も元気になります。 ウィズコロナの時代、皆さん方も、体操教室は開かれなくても指導士同士が顔を合わせて勉強する機会を持つ工夫をしましょう。
 
14.令和2 14号(令和2121日発行)
  ウイズコロナの活動

 アフターコロナはあるのでしょうか。あるとしたらそれはいつになるのでしょうか。今となっては徹底してウィズ コロナ作戦をとならなければと思います。指導士さんへの研修は徹底してDVDと電波を使う。それに必要な道具を整える。
 高齢者への伝達は紙ベースでしょうが、その前に市町村行政を通した人頼りではなく、茨城県中の徹底した広報啓発活動を行う。資金は一部クラウトファンディングを活用する。
 県市町村からも協力してもらう。茨城のどこを切ってもシル・リハ体操が出てくるくらいの勢いで広報を行う必要があると思います。
 プラザはそのために組織改革を行い、来年度に向け、事業を前倒しにしてもすぐ計画を練り、始められるものは
始める、できることは何でもやる、という覚悟です。人が集合して行うやり方は横に置き、あらゆることを考え直す必要があると思います。
 高齢者宅には全戸に体操のポスターを配る くらいの覚悟・決意が必要です。指導士さんにはポスターを配ってもらう。企業や学校には「あなたのおじいちゃんおばあちゃんのため」にと言って協力願う。
 いろいろの店舗にはポスターが目に付くようにする。ホテルや旅館にもタクシーの座席の前にも貼ってもらう。バス停にも目立つものをぶら下げる。老人クラブにも協力してもらう。「コロナで死ぬか認知症になるか」と脅かされている時代「生きていくために必要な選択です」(眞子さま)と同じくらいの覚悟が必要でしょう。
 
13.令和2 13 (令和21116日発行)
   ヘルスリテラシーの力

 リンカーンの「住民の,住民による,住民のための」 という言葉はあまりに有名です。シルバーリハビリ体操 指導士の養成事業 は,一つは,この精神にのっとって います。もう一つの柱は住民の健康の学び,ヘルスリテラシーです。
 ヘルスリテラシーは「住民の地域保健に関する教育」という意味です。単に「教育」と言うと,主体が教え側に行ってしまって,目線が高く,住民が置いてきぼりになった感じがしますので,私は教養の方がいい と思っています。ヘルスリテラシーに関するある学の
 言説を私なりに解釈すると,地域保健の勉強には3段階あって,1段階は,健康に関するある領域の知識を得ること,2段階は仲間とそれを一般に伝えること,3段階は 行政や専門職と協働して大きな展開に寄与することとなります。これは 15年間指導士,さんたちの活動を見てきてその通りだと確信を持つようになりました。第一段階では「シルリハ体操の内容や意味」を学び(資格獲得),次いで「地域 の中でそれを展開すること」(体操教室)を行うようになります。
 「地域 の中でそれを展開3段階になりますと,「地域で健康に暮らすとは何か」を考えて必然的に行政とも関係を持つようになると思います。
 体操を大きく太い柱として打ち立て,余力で地域保健や生活支援に目が向くようになると思われます(健康 紙芝居や生活支援への参入)。たかが体操事業と言われようとも,学習を積んだ活動家の集団は超高齢社会に未来への風穴を開けるでしょう。
 
 12.令和2 12号(令和2112日発行)
   気合は十分!

 この 15 年間、年に 6 回、茨城県内で普及活動を行ってきました。これは県の老人クラブ連合会と県の主催で市町村の老人クラブ(高齢者クラブなど呼び方はまちまち)が共催し、市町村のシルリハの会が協力してくれます。今年度の第 1 回は 9 月 23 日に桜川市で行 い、指導士さんと一般の高齢者 合わせて 50 人以上の人が集まってくれました。この時期に、これだけの人に集まってもらうのは準備の上でも容易なことではありません。10 月 28 日には高萩市で開催し、総勢22 人 が集まってくれました。プラザでも教室を続けています。前のコースでは プラザコースは 6 人、207 コースは  8 人です。
 市町村開催 と一緒に行いますから、初日は 1 級さんや市町村の 関係者などが集まり、たびたび 50 人超える大人数 になります。ご存じ大会議室は密を避け、換気のためドア を開けっぱなし、外の窓も開けますから、寒く感じた人もあったと思います。
 この時期でも養成事業を怠ることなく、最大限の注意を払いながら、プラザも忙しく活動をしています。地域開催が始まるとスタッフは出払ってしまうこともあります。皆頑張っています。気合は十分です。
 
11.令和2 11 (令和21015日発行)       2025年と2040年問題に2段構えの「予防」

 団塊世代が後期高齢者すなわち 75歳以上になる年が 2025年。 そしてこの世代が亡くなるピークが 2040年です。私たちはこの大きな世代的課題を乗り越えなければなりません。後期高齢者になると医療と介護が大きな問題になってきます。ですから高齢者は何といっても疾病予防(保健)と要介護予防(介護)の2段構えの予防精神が必要です。疾病予防は具体的には生活習慣病予防の予防です。要介護予防は虚弱化予防が基本になります。要介護予防が一般的に介護予防と言われています。 要介護状態になってもその進行を抑えるのも介護予防の中に含まれます。
 生活習慣病予防は、すべての人が考えなければなりません。健康紙芝居はその考えで作られたものです。指導士さんが体操教室でこれを使って人に話すと、説得力がありますし、なにより自分勉強にもなります。コロナが収まって、そういうの活動ができる日が早く来ることを願うばかりです。その日のために、体操と一緒に少しでも勉強しておきましょう。
 
 10.令和2 10号(令和2101日発行)
    ラジオ体操ではない

 ある県の方が「シル・リハ体操でなく、ラジオ体操でよい。ラジオ体操には座ってやるのもある」と言う話をされたとか。
 ①体操を理解していない、②介護予防が時代の要請であることを理解していない、の2点から意見を述べます。
 ①ラジオ体操は、運動学・体育学から出たもので、その量と種類を極端に減らし、リズムに合わせたものです。したがって加齢が進むと高齢者はできなくなります。それをフォローするものはありません。
 シル・リハ体操は、動作学、障害学からできたもので、リハビリの治療運動を体操化したものです。 したがって起き上がれない人でもできます。目的は、要介護にさせない、進行させない介護予防に あります。ですから誤嚥予防から失禁予防、滑舌・ 発声・顔面運動まで入っています。
 ②超高齢社会に要介護者が増えると、介護費用が増え、介護離職にみられるように生産者年齢層が職を離れます。超高齢社会では本人の幸せだけでなく、経済のためにも介護予防が必要になります。組織化されたシル・リハ体操指導士はその一翼を担っています。ラジオ体操はよい体操ですが、介護予防にはほとんど関係のない体操です。
 
  9 令和2 9号(令和2915日発行)
   新しい事業にご協力ください

 「自分のために体操だけを覚えるつもりで参加したのに,体操以外のことまでやらされるのはおかしい」という意見が一部にありました。
 この意見には2つの誤解があります。一つは事業は「世のため,人のため,自分のため」とボランティア精神がトップにあり,結果としていろいろのことで自分のためになる,ということです。また,指導士は他人に体操を指導する立場ですから,自分の考えで体操を組み立てられるところまで勉強していただいています。自分の ためだけなら,こんなに勉強する必要はありません。
 2つ目の誤解は体操をやってさえいれば健康が維持できる,と考えておられることです。体操は健康にとって有用な手段ですが,体操をするにもその気持ちが起こらねばならないし,それが続かなければなりません。また健康状態がいい状態でなければなりません。そのためには指導士は誰よりも生活習慣病予防の知識を身に着けてもらわなければならないと考えています。
 「体操のボランティアで参加したのに」と疑問を持たれる方もいるかもしれませんが,できるだけご協力ください。15年間も組織的に活発な活動をしてくれば,新たに社会的な責任や使命が生まれてくるのは当然のことです。企業でも行政でも同じです。社会のニーズに対応していく姿勢がなく,同じことだけをしていては時代に取り残され,いずれ消え去っていくでしょう。そのことを深く考え事業を進めてきました。指導士の皆さんには,新しい事業にもどうぞご理解とご協力をお願いします。
 
8 令和2 8号(令和291日発行)
   健康紙芝居を活用

 この 4 月 1 日に「高齢者の保健と介護予防の一体的実施に関する施策」が都道府県、市町村に対して通知されました。保健事業と介護予防事業という制度の違うものを一つにするというのはとても 難しいことです。
 茨城県は指導士さんが健康紙芝居をしようという取り組みを準備し始めていますから、これを活用すれば、住民と協働でかなり進んだ取り組みができると思っています。生活習慣病の予防と介護予防をつなげる事業なので、体操教室で指導士さんが紙芝居を使って話す手法はぴったりです。隅々まで住民に情報が行き届くと思います。
 
7 令和2 7号(令和283日発行)
   やはり「日本一少ない」県、でした!

 前の号で、65 歳以上で介護認定を受けた人の割合が「2 月が1位、5 月は 2 位で残念」という内容の記事を書きましたが、まったくの誤りでした。きちんと計算をし直しますと、令和 2年1 月に少ない方から、僅差ながら 1 位になっており、その後 2 月、3 月、4 月と1 位を キープしていました。5 月の月報がまだ発表されていませんので、この原稿を書いた時点では 1 月から4 ヶ月連続して 1 位ということに なります。お詫びして、訂正いたします。それはさておき、コロナの影響は泥沼状態で、中でも在宅高齢者へのサービス のありようには、どこも頭を悩ませているらしく、良い報道がなされせん。サロンなどもぼちぼち始めるところもありますが、時間を短縮したり人数を制限したりおそるおそるの状態当分 3 密を避けるのはやむをえないとしてです。そのため過剰自粛で閉じこもりから寝たきりになっては困ります。
 教室開催に対する現在の私の考えは、マスクをつける、換気や身体距離を開ける、など一般的な対策はしたうえで、最低月に一回は外出拠点として教室開催を確保してほしい、ということです。そして、できれば来られない人の安否確認です。
 体操教室は回数が減っても、閉鎖でない限り、高齢者が社会とつながる心の砦として存在続けるはずです。荒海だからこそ消えることのない灯台の灯りが大切です。
 死守しましょう。
 
6 令和2 6号(令和2715日発行)
   日本一に、でもまた2位に

 要介護の認定割合がこの 2 月、茨城県が日本一少ない県になりました。でも、5 月の月報で、再び僅差で 2 位に。これは、毎月「介護保険事業状況報告」が厚生労働省から出るのですが、その中に「第1号被保険者一人あたり要介護(要支援)認定者割合(要支援1~要介護5)」というものがあり ます。簡単に言うと、高齢者の中に要介護者がどのくらいの割合で、全国都道府県別に表示するものです。3 か月ごとに表が発表されます。 介護予防事業の成果は全てこれに反映されるとも考えられ、他府県と比べ介護予防の効果を見る一つの指標になると思います。茨城県はその中でずっと2 番目 にいまして、何とか 1 番にならないかと発表されるたびに気にしていました。
 千葉県、埼玉県、栃木県北関東勢と山梨県とで競っていたのです。それがこの 2 月でついに一番少ない県になったのです。
 「介護予防」は要介護状態にならない、状況を悪化させない、の2点に集約されますので、この認識が県民 に広がっていると思います。介護や医療関係者の努力もあろうかと思いますが、要支援1,2、要介護 1の軽度の要介護者は要介護者の入り口であり、ここをしっかり押さえなければなりません。 いずれにせよ、介護予防という考えがあらゆる人に浸透されなければならず、それに指導士さんたちが大いに貢献しているに違いないとみています。
 「日本一」を見たとき、シル・リハ体操指導士さんの活動に改めて頭が下がる 思いでした。
 1 位でも 2 位でもいいのですが、暗いニュースばかり続いている中、久々に気分がよくなりました。
 
5 令和2 5号(令和271日発行)
  フレイル克服に「電波」を活用

 新型コロナの蔓延は国と国,県と県だけでなく個人と社会との関係を遮断してきました。外出を自粛し,家にいると運動不足で身体的フレイルに,孤立から起こるうつ的になる 心理的フレイル,人と会って話す機会がなくなる社会的フレイル,この三つのフレイルの連鎖が怖いのです。人と話す機会が少ない人ほど要介護の状態が増えることはプラザの調査でも明らかになっています。これからの時代はスマホを使う人が増え,相手の顔を見ながら話すことも多くなると思います。
 そのような電波を 使うシステムが発達してくれば,指導士さんがキーマンになって何人かの人と同時に話しができるようになるかもしれません。
 生徒さんたちにリーフレットを配ってあげれば,指定した体操のアドバイスをしてあげることも可能になるでしょう。一気に 3 つのフレイルを突破できます。コロナと同じで,電波は世界中どこへも飛んでいきますから,これを活用しない手はないでしょう。皆さん方は,機会を作って健康プラザ発信のユーチューブを見てください。
 見たことがない人はぜひこの機会に見ることにチャレンジしてください。私は今回のコロナ騒動を機会にユーチューブを見るだけでなく,作る方にも手を出すことになりました。スタッフも手探りで作業をしています。これからの「新しい生活様式」には電波をうまく使うことも欠かせないと思います。 新型コロナウイルスには,体操の発信だけでなく情報の伝達や会議の仕方もいろいろ考えさせられました。
 コロナ騒動もマイナスだけではないと考えるように心がけています。
 
 4 令和2 4号(令和2615日発行)
  指導士会の活動と「新しい生活様式」に合わせた
  活動


 1 年間の活動の全県のまとめが指導士会に報告されたと思います。集計は 3 月を省いた、11 か月分になります。教 室開催数は40,989 回、参加延べ人数 138,864 人、住民参加延べ人数指導士571,291 人という結果でした。欠けた1 か月の活動数を単純に月平均を計算して加算すると、昨年度とほとんど変わらない数字になり、指導士さんたちの活 動は相変わらず活発だと敬服するばかりです。プラザでは「新しい生活様式」に合わせた指導士養成事業の在り方を模索しています。さらに、この通信もそうですが現在、指導士会で活躍している人たちはもちろんのこと、一度指導士になってもやむを得ず退会された指導士さん が一生健康のことに関心を寄せていただけるように、プラザと密接な関係をつくる対策を模索しています。
 コロナに負けてばかりはいられません。
 
3 令和2 3号(令和261日発行)
   勉強をして教室の再開を待ちましょう

 皆さん方は基礎的な勉強をしておりますので、忘れたところがあっても教科書を開けば思い出すとおもいます。この機会に、筋肉の名前や関節の動きなど復習しておきましょう。
 心配なのは教室を楽しみにしておられたお年寄りが来られないことです。まったく新型コロナウイルスには困ってしまいます。
 しかし、人に感染させても自分が感染してもよくありませんから、今はできるだけ外出を自粛し、3密を 避け「非密」の新しい生活を考えださなければなりません。なにしろ、警戒が解除されてもウイルスがゼロになったわけではないのでワクチンができるまでは我慢をするのが基本だと思います。たとえ教室再開となっても慎重に行いましょう。もし教室が再開されたなら、体操の指導は、より家でやりやすいも のを選んで教えてあげてください。
 お休みの日、私は運動量が減るので、テレビを見ながら思い出しては体操をします。それに加えて、家の中を少し でも歩きます。
 すぐに家具に当たってしまいますが、それでもめげずに頻回に歩きます。椅子につかまって足踏みもします。動くことを心がけるのが寝たきり予防の第一歩です。
 
2 令和2 2号(令和2515日発行)
   勉強と情報の交換が大切
  
 新型コロナウイルスの蔓延で大勢が集まる活動を自粛していますが,これによっていささかも私たちの活動が停 滞してはならないと思っています。できうる限りの知恵をしぼって,この難局を皆さん方と一緒に乗り越えたい,高齢者の寝たきりを一人でも増やさないようにしたい,というのが私の願いです。 今はコロナに活動の手をふさがれていますが,「茨城版コロナNext(本県のコロナ対策指針の基本的考え方について)」も県から出されました。いずれコロナが収束してくるようになったときは,指導士さんは新しい指導士さんにな って甦っていただけると信じています。皆さん方とともにある私たち,も全力を挙げて知恵を絞っています。プラザの職員は皆元気です。電話でも,ファックスでも,メールでも,一言でも, 一行でも結構です。皆さんの様子を教えてください。皆さん自身は決して心を閉じこもらせることなく,じっと力を蓄えていてください。皆さん方は,あきらめることなく,これを機会に一つでもアイデアを絞りだしてください。皆さん方の工夫も集めていきたいと思っています。プラザにどんなことでもいいので連絡ください。
 私たちは負けることはありません。
 次にもつながるアイデアと力を蓄える時だと思ってください。介護予防についてコロナの陰で制度は大きく動こうとしています。
 プラザではそれを待ち構える気持ちで市町村に提案ができるよう構想を練っています。
 皆さん方とはぼちぼちお会いできる日も来ると思います。お目にかかる日を待っています。その時は具体的なことを皆さんにお願いできるよう私たちもアイデアを絞っておきます。
 
 1 創刊号(令和251日発行)
  みなさまと情報を共有するために、これから月に2回
  程度、情報発信していきます


 今回の新型コロナウイルスの蔓延による社会的影響は計り知れません。世界中でこの難局を乗り越えようと努力しています。私が心配しているのはコロナウィルスに感染しないことはもちろんですが,外出を自粛され,高齢者が外に出られないこと,また仲間と会えなくなることによって生ずる心身への影響です。外出をするには,ぶらぶら散歩するのではなく,行き先があって,そこに行くために外出する,というのがベストで,行けば仲間と交流ができるからです。外に出ろ,出ろといっても「どこに行くのか」という目的がなければ,空念仏になる恐れがあります。体操教室はその意味では高齢者にはベストの対応です。月に 1 回でもはっきり行く場所が保証されているということはかけがえのない行き先づくりでした。
 そして高齢者にそのような場を身近に作っていくことが私たちの目標であったわけです。現在県下に 2000 か所以上の体操教室を皆さん方は作り上げました。ここは高齢者にとっては通いの場であり, 体操の場であり,私たちには地域活動の紙芝居を通して健康づくりの活動もできるからです。皆さん方は茨城の宝です。またむざむざとコロナに負かされるような人たちではないと信じています。きっといいアイデアをお持ちかもしれません。そのような皆さん方のアイデアも生かしながら,今までとは違ったシルバーリハビリ体操の普及法を考えだしていきたいと思っています。 またお目にかかる日を待っています。その時はたくさんのことを皆さんにお願いできるようアイデアを絞っておきます。